私にとってアクアリウムは趣味と言うよりも、「精神衛生上」必要なものとして存在しています。
音楽制作の仕事は、作曲・編曲・演奏・録音・Miixなどといった段階を経て皆さんがお聞きになるような、完成された音楽になるのですが、とにかく目に見えないものを作っているわけで、目の前にあるものは電子機器ばかり、さらに近年ほとんどの「目に見える作業」がディスプレイの中で行われ、完成された音楽そのものもCDなどに焼いて手に取るまで、一つのファイルでしかない状態です。

 そんな潜水艦の中のような機材ばかりの部屋には、やはり自然の物も必要で、水槽を置く以前は観葉植物などを置いて凌いでいましたが、やはり熱帯魚が泳ぐアクアリウムは理想の癒しアイテムとして、いつか設置してやろうと目論んでいました。

 「熱帯魚」は1960年代から飼育していましたが、ギターを覚えてからはヒッピー生活になったので、一旦全て処分してしまい、結局新たに水槽をセットしたのは、90年代に入ってからの事なのですが、その間でも、アクアリウムの雑誌はたまに読んでいましたから、今度セットする際にはレイアウトはこんな感じでとか、こんな魚もいいかな〜などと、考えていたものです。

 実は、私が60年代から理想としていた水槽があって、それは牧野信司著の「原色熱帯魚図鑑」の中に描かれていた「ENCLOSED AQUA TERRARIUM」の図でした。写真ではなかったのですが、とにかくインパクトがあって。こんな水槽をいつか作ろうと思っていました。今までアクア・テラリウム「Aqua Terrarium」は作った経験がなかったのですが、21世紀の技術なら維持するのも容易だろうと、夢の「ENCLOSED AQUA TERRARIUM」に挑戦したのが2003年のことです。

アクアリウム(Aquarium)のコーナーでは、このアクア・テラリウム(Aqua Terrarium)とトップページを飾っているペットのクラウンローチが中心です。


Aqua Terrarium

アクア・テラリウム(Aqua Terrarium)の作り方などは、ネット上に詳しく・正しく書かれたホームページが沢山あると思いますので、それを参考にしてくださって、当ページは、私なりの適当な管理方法が主ですので、ご理解の上ご覧下さい。

Concept
  • 今までのアクアリウム資材の利用
  • 最低5年間の維持
  • 手抜き管理の実現
  • 水替えの簡易化
Data
  • 五角形のパノラマ・コーナー置き型(120cmクラス程度)
  • 底床はサンディーゴールド
  • フィルターはエーハイム2213
  • 一般的なテラリウム分水器セット(極小の底面フィルター) Self cleaning用ポンプ
  • ハットの中に20w水中蛍光灯x2、朝夕用の15wをタイマーで調整
  • CO2無し、エアー無し
  • ヒーター無し(冬は21度でエアコン管理)

2008年の全景
 5年を経過して陸上の植物は、シノブがあちこちに手を伸ばしすぎて、収拾がつかなくなり撤去したのと、アジアンタムが一度枯れて、新しい苗に入れ替えただけで、他の植物はそのまま維持しております。
水中はクリプトコリネが何回か全て溶けてしまいましたが、その都度無事に再生してしぶとく生き残っており、シダ類とアヌビアス・ナナは、コケは生えてきますが、たまにトリミングするだけで結構良い状体を保っています。初期には余っていた水草を少しずつ入れていましたが、増えすぎる種類は徐々に撤去して、結局残った種類は長期維持に適した一般的な上記の種類となりました。
生体に関しては、魚たちは至って元気ですが、エビ類は、エサとなる物が少ないのか、いつも5匹ほどしか確認できません。管理については、一般的な水草水槽と同じで、冬が維持しやすく、夏は蓋の開け閉めが必要なので少し面倒です。しかし、手前に写っているベンジャミンは貰われてきて30年近くになりますから、このテラリウムもまだまだですね

2012/4更新
 珍しく上からの撮影です。
立ち上げ時に、奥の流木に少数を活着させていたミクロソリウム・ナローリーフですが、Cバランサエのように伸びてしまい、下に植えてあるクリプトコリネ類が数年の間に、かなり小さくなってしまいました。
 自慢の湧き水も健在です。 エーハイム2213の排水口で、この湧き水の勢いでフィルターの汚れが把握できるので便利です。
 アジアンタムは2ヶ月ほどで,毎年再生してきます。このあと夏が来る頃にピークになり、その後一気に枯れてきますので、この水槽の中では唯一手のかかる植物です。

2012/4更新
 ヘデラニューミニシルバーが水面に進出。たくましく芽を出しています。 意味は無いのですが動画で撮影したので、動画でご覧ください。(5秒ほどです)

2010/1更新
 陸上の植物の中でも、アジアンタムは9月頃から枯れ葉が増えメンテナンスが面倒なので、毎年、丸坊主にしています。 この水槽は、蓋があるクローズド・アクア・テラリウムなので、やはり夏が苦手で(一部の蓋は開けておきますが) 水草水槽同様、秋から春にかけてが状態が良く、管理も容易になります。 この画像は11月にカット後、新芽が数本の状態がら少しずつ新芽を展開し出した頃です。

2009/6更新
 前面ガラスの自動ウオッシャー(Self cleaning)を設置しました。(ハット内にシャワーパイプを設置) このおかげで前面ガラスの清掃がいらなくなり、また一つ手抜きができました。 タイマーコントロールで一定時間シャワーが出たり止まったりと、サイクルプログラムしています。 動画をご覧ください。(10秒ほどです)

レイアウト基礎と吸・排水
アクリル製スタンドと溶岩石プランター
  • アクリル板をカットして作りました。溶岩石プランターとはシリコンボンドで接着。苗をビニールの容器のまま、溶岩石に入れて置くだけなので交換も容易に出来ます。
  • ペットボトルをカットしたプランターは小さな穴を適当に開け、下に安定用の砂利を入れて、その上にウールマットを入れ、苗の容器の底が少し水に浸る程度に調節しています。
  • このレイアウトでは、プテリスフォーレイ、アジアンタム、ヘデラニューミニシルバー、プミラ(サニーホワイト)の苗を使い、アヌビアス・ナナ、ウイローモス、ポトスを、流木を利用して配置しております。最初は寂しかったのですが、1年ほどで水槽いっぱいになり、プランターはおろか流木も見えなくなりました。

吹き上げ
 フィルターからの排水を吹き上げにしています。これには二つの理由があり、一つは単純に水景に動きが出る事ですが、もう一つが肝心で、水替えの際、排水を容易にしてくれます。私は内径9mmのホースで排水しているのですが、この吹き出し口にホースをあてるだけでいとも簡単に水をくみ上げてくれます。ホース内の空気が無くなれば、サイフォンの原理で必要な場所を掃除できます。 以下、動画をご覧ください。(各15秒ほどです)
メンテナンス
  • 水替えは10日に1度、理想は5日に1度ですが、1ヶ月位替えないときもあります。通常はバケツ一杯の量で、2Lのペットボトル3本程度のくみ置きした水を使います。以前は、種水水槽を使っていましたが、水替えの量が少なくなったので、今は2Lx6本で全水槽をまかなっています。キャップは乗せる程度にして最低3日は置くようにしています。なお添加剤は使っていません。
  • 肥料などは、陸上は無し。水中は3ヶ月に1度程度クリプトを埋めています(ストックが大量に残っているので)液肥はメネデールを入れていたこともありましたが、効果が分からなかったので最近は加えていません。
  • 木酢液は2〜3ccを500mlで薄めて水替え時に全体へスプレーしています。(普通の水もスプレー)
  • 照明はメインの20w2灯が4時間その後15wが3時間です。通常の水槽に比べ貧弱なようですが、陸上の植物は元々部屋の照明でも育つような種類なので、これでも多いくらいで、水草は水深が浅いこともあり通常の1/3程度の光量でもOKみたいです
  • 生体が少なくなると水草の元気がなくなるので、平均して50〜60匹程度、小形種を入れています。
右側からの動画。この辺でエサをあげるので魚たちがいつも集まっています。
水中はこんなに混雑しています。
ゼブラダニオは大きな個体は6cm位になっています。


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